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英国で働いたことのある方の、英国年金の受給資格取得と給付請求手続をお引き受けします。
<重要なお知らせ ”顛末”>
下記の制度改定の実施は2025年4月5日まで、延期となりました。(2023年7月31日)
<重要なお知らせ ”続”>
下記の制度改定の実施は本年7月31日まで、延期となりました。(2023年4月6日)
<重要なお知らせ>
英国の公的年金の受給資格獲得のために必要な納税歴(10年)をクリヤーするのみならず、納税年数に正比例する年金額を増やすために、現在2006~2007税年度まで遡って最大16年分できる追納が、2023年4月6日からは、最大6年に縮小されます。この措置に連動して、現有の納税歴はミニマム10年の納税歴を達成するために、少なくとも4年必要となります。(2023年2月16日)
<本文>
定年退職後約30年の余命がある時代です。心配なのはその生活資金ですが、2つの国から公的年金を受け取れるように、今から手を打っておけばリタイヤ後は安泰です。
英国のNI No. (national insurance number) が分からない方、受給資格が分からない方、受給資格を取得したい方、年金受給申請(請求)をしたい方、 弊事務所へご連絡下さい。
現在受給しておられる方の"Life Certificate"の証明もお任せ下さい。
英国年金受給資格について
2016年に施行されたルール改定により、英国の公的年金を受け取る資格を取得するために、2016年の4月6日以降に受給年齢に達した方々は、10年の滞在歴もしくは、それと同等の年金掛け金の納付が必要となりました。
新ルールは1951年4月6日以降に生まれた男性と1953年4月6日以降に生まれた女性に適用されます。要点は、基礎年金(Basic State Pension)の必須納税年数(Qualifying Year)を10年として、給付金は従来30年満期で週当たり£119.30であったものを、35年満期で週当たり£175.20(2020年現在)とし、併給されていた報酬比例年金Additional State Pension(SERPS: State Earnings Related Pension Schemeとも言います。)を廃止するというものです。この方々は、ご自身の英国での納税歴を英国年金サービスの窓口に照会し、その結果に応じて10年に満たない年数分を必須の納付として、英当局に納付して頂くことになります。10年を超える分をオプションとして納付することは勿論可能で、納付年数に正比例して、基礎年金額は大きくなります。追加納付をして、年金を受け取る資格を獲得する条件として「3年の納税歴、若しくは滞在歴」が必須です。
しかし1951年4月5日以前に生まれた男性と1953年4月5日以前に生まれた女性には、旧ルールが適用されますので、この制度改定の直接の影響はありません。 従って、1年の滞在歴があれば年金受給資格が得られます。旧ルールが適用される皆様は受給年齢に達しているので、取り敢えず英国政府の窓口に受給申請をし、それから年金額を大きくするための追加納付申し込みのオプションを行使するかをご検討頂くことになります。納付して、年金額を増やす条件として、少なくても3年の滞在歴」が必要です。尚、この世代の方の配偶者はご自身の社会保番号がなくても配偶者年金がもらえる可能性があります。
1945年4月5日以前に生まれた男性、及び1950年4月5日以前に生まれた女性には、更に古いルールが適用され、11年の滞在歴が必要ですが、それを満たしていない方でも、報酬比例年金のみの受給権が成立している場合がありますので弊事務所へご相談下さい。この年代の方で、在留11年のハードルはクリヤーできないとして、年金をもらうことを諦めておられた方が、当事務所へご相談頂いた結果、2百万円近い未支給年金を一時金として受け取り、その後報酬比例年金だけ受けとれるようになった例もありましたが、今は遡及して支払われる期間が、給付の申請をした時点から1年に制限されています。
現在、上記の「更に古いルール」は別として、新旧の2つのルールが並存し、年金額が高くなる方が適用されますが、「滞在期間」は新ルールに一本化されます。従って、繰り返しになりますが1951年4月6日以降に生まれた男性、及び1953年4月6日以降に生まれた女性は、10年の滞在期間が必要条件となり、従来は年金額を増やすためにする任意であった追加納付が、今後は多くの皆様にとって、不足年数をカバーするために必須のものとなります。
この制度変更によって、2010年から大幅に緩和された年金の支給要件が、ほぼ元に戻ってしまいました。多くの方からお問い合わせを頂く日本の基礎年金との通算は行なわれていません。
受給者の皆様の年代によって制度が異なるので、英当局への手続きが一様でないのですが、受給年齢到達前のお客様の手続は以下のようになります。
年金の照会と登録を行う為に弊事務所では依頼人様に代わり、先ず、英国年金サービスに対し、年金受給額見積もりの通知を依頼致します。その結果、滞在歴が10年を超えていると確認された方には、年金サービスより給付年金額の推計や、保険料の追加納付による給付金増額の選択肢が通知されます。この方々の受給権はこの段階で登録されます。
滞在歴が10年に満たない方には、先方当局が納税記録を照会して認定した滞在年数が通知されますので、この段階で、英国を離任されてから現在に至る期間(過去分)と、現在(すでに英国を出国されておられる状態)から受給開始年齢までの期間(将来分)の年金掛け金を追加納付する選択肢をお示しすることになります。追加納付した分の金額(出費)は受け取った年金で、極めて短期間で回収でき、その後は終身年金の恩恵に浴することができます。
新ルールでは、基礎年金は35年で満額となります。そして、納付年数を増やせば、年数に正比例して年金額が増える仕組みになっています。 前述の英国公的年金の任意による追加納付についてご説明します。
過去分:英国離任後、最大で14年分遡及して納付することが出来ます、下記の納付額は新年度(2022年3月21日付)の確定額です。
CLASS 3の場合の納付額
Tax Year Amount(£)2006-2007 824.20
2007-2008 824.20
2008-2009 824.202009-2010 824.20
2010-2011 824.20
2011-2012 824.20
2012-2013 824.20
2013-2014 824.20
2014-2015 824,20
2015-2016 824.20
2016-2017 824.20
2017-2018 824.202018-2019 824.20
2019-2020 795.60
上記はリタイヤした元会社員等の被用者に適用されるCLASS 3と呼ばれる規約をベースにしたものですが、最近、納付金の安い自営業者用のCLASS 2ルールでの任意拠出が、英国外で、働いておられた期間限定で認められるケースが増えております。 これによりますと一年分の納付額が概算で£160ですから、すぐに元が取れます。CLASS 3でも日本では考えられないくらいお得ですが、CLASS 2の申請が認められると更にお得になります。ご興味のある方は弊事務所へご相談下さい。クラス2の申請時に、職歴表の提出が求められますが、雇用されていた証拠としてその当時の給与明細書や納税記録等の提出が求められることがありますのでご注意下さい。
CLASS 2ルール適用が承認された場合の直近(2022年2月1日付)の確定値は下記の通りです。
Tax Year Amount(£)2006-2007 158.60
2007-2008 158.60
2008-2009 161.65
2009-2010 158.60
2010-2011 158.60
2011-2012 158.60
2012-2013 158.60
2013-2014 158.60
2014-2015 161.65
2015-2016 158.602016-2017 158.60
2017-2018 158.60
2018-2019 158.60
2019-2020 161.65
2020-2021 158.60
将来分:将来分は過去分と同時または別途に申請して、ご自身の年金受給開始年齢到達まで、経過年ごとに納付金を納めて行くことになります。 支払い方法には種々の選択肢があります。
上記の追加納付の選択をする、しないに拘わらず、給付の要件を満たしている方には給付開始年齢到達の凡そ4ヶ月前になると、年金の給付申請書が送られてきますので、弊事務所が依頼人様に代わって書類を記入します。LIFE CERTIFICATE (生存証明)
英国年金の受給が始まると、2年に1回、英国のPension Service から“Life Certificate” という書式が、宛名住所以外はブランクで送られてきます。説明書も同封されています。
これは、英国の公的年金を受け取っている方々に生存の確認を求める書類です。当職は証人となることができますので、ご用の際はお引き受け致します。
この書類が配達されたことを見落として、必要な手続きを怠ると、年金は支給停止となりますので、英国から来るA42つ折りサイズの茶色の封筒を見落とすことがないようにご注意下さい。
オンライン面談も実施しております。詳しくはこちらから。
CODの結果としての企業年金について
英国の年金制度は、定額の基礎年金(BasicState Pension)と、報酬比例年金(Additional State Pension )の2層構造となっていましたが、2016年4月の制度改定で基礎年金に一本化され、基礎年金が約30%アップされました。2016年4月以前に英国で勤務された方の相当数が、旧制度下のCOD(Contracted Out Deduction )によって、Additional State Pension(SERPS: State Earnings Related Pension Schemeとも言います。)を任意脱退して、民間の企業年金基金に加入しておられます。それに該当する皆様は旧制度のAdditional State Penson に相当する部分を民間の運用機関から受け取る手続きが、公的年金の請求手続きとは別に必要となります。
民間の年金運用機関は、年金掛け金の運用結果は自己責任であることを受け取り人に認識させるためか、送り付けられた沢山の英文の冊子を読み、チェックリストに読んで理解した旨のチェックを入れて、給付請求(多くの場合、一時金)と一緒に提出することが要求されます。また、本人確認と銀行口座確認も証人が裏書することが要求される等、手続きは公的年金を請求するときよりも煩雑ですので、お手伝いが必要な場合はお気軽にお声掛け下さい。COPEという言葉が英国のPension Service の資料に出てきますが、これはContracted Out Pension Equivalent の略で、CODで企業年金に移管され、政府が管理していない年金部分の推定額のことです。
現在、英国に赴任中の皆様へ
皆様が、将来より多くの年金を英国政府から受け取ることが出来るように、以下のことをお奨めします。
給付明細書と住民税の通知書を、散逸しないように出来る限り保管して下さい。PCで表示される場合、コピーをプリントして下さい。(今からでも保管すれば”better than nothing”です。)
帰国の日まで駐在員の身分を保持して下さい。同じ会社内の転勤で帰国する方は問題ないと思いますが、英国駐在のアサイメント終了時点で退職(転職)なさる方はご注意下さい。
専業主婦の奥様も独自のNational Insurance Number を取得して下さい。(可能です。)
英国のお子様手当(Child Benefit)は受け取って下さい。
帰国後、なるべく早く年金受給資格取得の手続きと、年金受給年齢まで将来に向かって、非居住者として社会保険料の納付する申し込みをして下さい。その手続に着手する年齢が、若いほど有利です。
企業年金の証書や運用期間から来る年次の運用報告書等は紛失しないように保管して下さい。請求するとき必要なものは相手の名称と皆様の契約番号です。
ご注意:
弊事務所及び当職は、受任したサービスに関連して、英国の役所の先送り、役所間(二つの役所が関与します。)でのたらい回し等によって生じた時間の空費による利益期待の減少、消滅、及び勤務先企業の作為・不作為によって、当時の納税記録が依頼者の勤務実態を反映していないことに起因する利益期待の減少、消滅については一切の責任を負えません。英国の納税記録の不備によって、サービスを中止せざるを得なくなった場合はその時点までの手数料を申し受けます。