2021.03.23
小生は且つて、米国の海運会社に勤務し、日本支社TOPの米国人に直属して、日常的に契約書をドラフティングしていました。その当時、社内各部門の依頼で契約書を起案し、サイナーである支社長のレビューを受けに彼のオフィスに持参すると、金額が大きいもの、期間が長いもの、内容に特徴のあるものについては、「リーガルオピニオンを取れ」という指示があり、弁護士の意見書を取り寄せて、支社長に見せてから契約ファイルに保存しておりました。この目的は、契約内容の妥当性を第三者の視点から確認させることのみならず、決済者である支社長自身の自己防衛であると思っていました。近年リーガルチェックという言葉を時折耳にしますが、日本の会社の場合は、契約書の妥当性のチェックと、リスク管理が目的で、責任者の免責を得るという動機は余り感じられないように思います。
小生は会社員時代の一時期、国際ローファームに契約書を作成させる立場でしたが、ビジネス実務の経験が殆どない弁護士の考える契約書が間尺に合わず、その請求書の金額と相俟って、使えないと判断したことは1度や2度ではなく、それが自分で国際法務事務所を開業した理由の一つとなりまた。