2019.12.17
ラッシング(貨物の固縛)の実例の写真です。
沢山のワイヤーとチェーンが無造作に張られているように見えますが、実は貨物の重量・重心を調べ、航海中に船の動揺によって貨物に生じる加速度(G)を推計して、それに耐えられるように綿密な安全計算を行った結果が反映されたものです。
2019.11.19
海上運賃(Ocean Freight)の建値は次の通りです。
1. 容積によるもの(幾多の変遷を経て、現在は1立方メートルが国際標準の単位となっています。)
2. 重量によるもの(幾多の変遷を経て、現在は1Metric Ton/1,000KGが国際標準の単位となっています。)
3. Revenue Tonによるもの(Frieght Tonともいいます。当該貨物の容積と重量を測り、立方メートルとMetric Tonの大きい方を運賃計算の単位とします。これが個品運送では一般的です。)
4. Unit 当たりとするもの(コンテナ、プラント、大型機械等に適用します。)
5. 価格によるもの(Ad Valorem Freightといいます。希少金属や美術品等の高価貨物は、その価格に一定のパーセントを掛けて運賃を決めます。この建値を適用すると船荷証券の裏面に書いてある運送約款の一部が不適用となります。)
Berth Term(バースターム):
船会社が積港での積込費用から、海上輸送を経て揚港での荷揚げ費用までを負担する条件です。その責任範囲は“Tackle to Tackle”と俗称される積港の船側で貨物に本船Derrick(荷役機械)のHookを引っ掛けたときから、揚港で貨物を岸壁か艀の上に置きHookを外すとき迄です。Liner Term ともいい、在来の定期船で多く使用されます。船会社が荷役会社を手配するので、艀廻漕されて、本船にAlongside(接弦)される大口貨物にも、Godown (これは名詞です。)と呼ばれる港の保税上屋で船会社の代理店が荷受けをし、まとめてトラックで船側へ運ぶ小口貨物にも対応できます。この場合、Shipper (荷主)はトラック代を作業会社に払わなければなりません。
Free In (フリーイン):
積込費用はShipper が荷役会社を手配し、当然に費用を負担し、船会社が負担しない条件を、船会社から見るとこの言葉になります。荷揚げ費用は船会社が負担します。
Free Out(フリーアウト):
船会社が積込費用を負担し、荷揚げ費用は荷受人が負担する条件です。
Free In & Out (フリーイン& アウト):
船会社は積込費用も、荷揚げ費用も負担しない条件です。
備考:上記のInは積込み、Outは荷揚げを意味します。
FCL(コンテナ輸送)
コンテナ船の運賃の建値も、本船への積み込みと目的地に到着してからの作業が船会社によって行われ、その費用が運賃に含まれているいう意味でBerth Term の類型と言えます。但し、その仕切り場所が船側ではなく、船会社のコンテナヤード(CY)内となります。
そして、荷主が空のコンテナを借り出して自社の工場や倉庫で輸出商品を積み込み、船社は封印された中味入りのコンテナをCYで受け取って船に積んで運ぶ輸送形態をFCL(Full Container Load)と言います。 昨今、殆どの遠距離のコンテナ輸送はFCLです。FCLではコンテナの中味を書類でしか知ることが出来ない立場の船会社は、貿易取引の決済の担保となる船荷証券(Bill of Lading)の貨物明細欄にUnknown Clause (不知条項)と呼ばれる“Shipper’s Load and Count” と”Said to contain xxxxxx(品名)” を記載して発行するのが通例となっています。その目的はもちろん船会社の免責の主張です。通例、FCLの建値はコンテナ1本当たりとなっています。これは船社に一定量の貨物を一定期間保証する特定荷主に対して、船社が割安運賃を提供する双務契約です。しかし、制度の基本は商品の運賃負担力(つまりRevenue Ton当たりの価格が高いか安いかです。)に依拠した品目別運賃表(Tariff)です。
LCL(コンテナを利用する小口貨物輸送)
コンテナ輸送の形態には、船会社が多数の小口貨物を指定の倉庫で荷受けして、コンテナに相積みする形態があります。それをLCL (Less Than Container Load)と言います。しかし、大手の海運会l社の中にはLCLを自営せず、系列の物流会社等に任せている事例もあります。