2019.10.17
旧聞に属する話ですが、新聞報道によると順調に進捗していたインドネシアへの高速鉄道のインフラ輸出の商談が、突然取り消しとなり、その数週間後に、突然プロジェクトが復活し、地質調査などを実施した形跡のない中国が、国の保証免除を餌にして受注したそうです。 日本がインドネシアヘ提出した技術情報が中国に流れた疑いが濃い、との推測も付け加えれられていました。
この記事を読んで、小生も自分の会社員時代の経験を思い出しました。 それは日本の政府が援助物資として現物無償プラス補助金(海上運賃と現地での工事費)付きで払い下げる海上コンテナ数百本分の分解された災害被災者用中古仮設住宅数千軒で、インドネシア国は日本の窓口代理人を通じて受け取る契約をしました。 しかし、彼らは補助金だけ取って、住宅の入ったコンテナは受け取らず、日本の港に放置しました。 この間、彼の国の大統領は、ハビビ、ワヒド、メガワティと3人が入れ替わり、これに伴って役所の上層部も交代し、事態は全く拉致があかず、日本側の泣き寝入りとなりました。正確にいうと訴訟では勝ちましたが回収はゼロでした。このように国際援助をもらう国が、援助する側を手玉に取るのは、全く苦々しい思いです。 甘やかし過ぎた結果でしょう。 一番危ないビジネス相手は途上国政府だということを若いビジネスマンの皆さんは、肝の命じて欲しいと思います。
2019.10.14
かつて、私は会社員時代に米国企業の在日支社の総務部で、オフィスの移転を計画から実行まで担当したことがあります。個々の人間の価値観が関わって来る仕事で、色々苦労はありましたが、約半年で計画案を纏め上げ日本支社長の決済をもらいました。そして、最後に移転先候補の事務所の賃貸借契約書を、法律文書専門の翻訳家に英訳してもらい、移転プロジェクト正式承認申請書に添付して本社に送りました。すると本社のGeneral Counsel (企業内弁護士)が「日本支社の新事務所リース契約書の契約条項を審査したが、そこには貸し手の権利と借り手の義務だけが書かれており、このような一方的な契約条項は認められない。」と言ってきました。こちらは初めての経験だったものですから、大慌てで日本支社の法律顧問の先生(弁護士)の所へ駆け込みました。 すると先生が「我が国では、借り手の権利は個別の法律の強行規定で保護されており、契約書にいちいち謳う必要がない。よってこの契約書は妥当で何ら法的なリスクはない。」という意味の意見書を英語で書いて下さったので、それを本社に送り、あちらの弁護士を黙らせることができました。のちに国際法務の経験を積むにつれ、この小さな出来事が、実は日米の法体系と法の文化の違いを象徴する重要な意味をもっていたことに気付きました。つまり慣習法・不文法主義を採るあちらの国では、決まりごとや双方の権利・義務はすべて契約書に書き込んでおかないと、後日意見の相違が生じたときに、自分達の立場を主張することが困難であり、それが事実上、国際スタンダードになっているため、日本のルールを知らない米国本社の弁護士は、日本スタイルの契約書に当初NGを突きつけたというわけです。
2019.10.14
まずagreement とcontract の概念的は、契約(Contract )= 合意(Agreement)+ 法的強制力(Enforceability) となります。
詳細を本ホームページの「英文契約書作成」欄に加筆しました。