2021.02.11
Q5. Minutes of Meeting の効力はどうでしょうか?
A5. 契約が締結される前の協議でしばしば作成されるMinutes of Meeting についてご説明します。契約は通常、一度に総てが決まるわけではなく,何回も相手と協議をして細部を詰め、その細切れの合意の積み重ねを纏め上げで行きます。そのため、会議の席で出席者の中の誰か指名された人が議事録のメモ取りをし、会議の後 Minutes of Meetingをタイプすることになります。当事者のどちらが担当してもよいのですが、私が会社員の駆け出しの時代は、タイピストなどのマンパワーとタイプライラーを持つホーム・チームがこの役割を担うことが多かったように思います。昨今はノートパソコンが普及しているので、物理的な制約は最早やなくなったと考えられます。
形式は任意ですが、一般的にはタイトルをMinutes of Meeting とし、当事者双方の会社名、会議の題目、日時、場所、出席者のそれぞれの個人名、役職等を書いて、それから「The followings are the matter discussed and agreed.」などの前置きに続いて、合意されたこと、保留となったこと等を箇条書きにして、各行の右端に 「Action required by」の欄を設け、保留になっている件を調べて回答すべき立場にある当事者の社名と担当者名とその日限を記入します。ここに実務の担当者と日限を入れさせることは、大変有効なビジネス促進ツールとなります。しかしこれは諸刃の刃ですから、自分の側にも、ペンディング事項があれば、それをクリヤーにするプレッシャーがかかることは言うまでも在りません。最後に当事者双方の出席者全員、もしくは出席者中最上席の人がサインします。
Minutes of Meetingは議事録ですが、内容次第では、契約の一部と解釈される危険性がありますので、署名する方は、「Subject to top management approval」(会社の上席役員の承認を条件として) とか「For record only」(記録のみ)等の但し書きを付けて、Minutes of Meetingが目的(事実の記録)を逸脱し、契約書の一部として、1人歩きしないように注意することが肝要です。尚、Minutes of Meeting とConference Note は同義です。