2021.02.11
Q8. 英文契約の準拠法(Governing Law)と裁判管轄(Jurisdiction) はどうなるのですか?
A8. 国際ビジネスの両当事者は、別々の国家主権に属し、当然に異なる法体系に服していますが、英文契約書を作るときは、最終的な紛争解決手段として、双方合意の上で、準拠法と裁判管轄地を決めなくてはなりません。この部分には、紛争が生じたとき、なるべく自分に有利な法的環境を作り出すための戦略が必要であることは言うまでもありません。
実務的には、裁判の問題点である「三審制による長い時間」、「awayで外国での裁判になるときに備えて、組織力と資金が必須」、「公開制で企業秘密が守られない」、等々を克服するため、現在は双方の合意に従って、 契約にあらかじめ、紛争解決の最終手段として、特定の第3者機関による仲裁(Arbitration)を採用する ことが合理的であると考えられています。Arbitration の判断(一審制)にも、裁判所の判決と同じ執行力があります。しかし、裁判管轄は国家の主権が絡む問題ですので、契約書に書いたから、必ずその通りになるとは限りません。なお準拠法と裁判管轄は、同一である必要はありません。