2021.02.22
ホームページの「船荷証券」に付属して、ブログにその詳細な解説を連続して掲載します。
2021.02.21
信用状には下記の事項が記載されます。
① 信用状発行(開設)銀行…必ず輸入者の取引銀行
② 取消不能信用状である旨の文言(Irrevocable)
③ 信用状番号…各種書類に記載されることが多い
④ 発行場所および発行日
⑤ 信用状の有効期限…この日まで発行銀行の支払確約が有効
⑥ 発行依頼人(輸入者)
⑦ 受益者(輸出者)
⑧ 通知銀行…必ず発行銀行のコルレス先銀行(提携先)
⑨ 信用状金額…支払確約される金額、つまり商品金額 (⑭で分割船積が許容されている場合には、その合計金額)
⑩ 手形の条件…手形の期日、および名宛人(手形の支払人)
⑪ 書類の条件
a.インボイス(商品送り状兼請求書)…署名済みのもの 要求された通数
b. 船荷証券(B/L )…全通数(発行されただけ全部。通常3通)(詳細は当サイト「船荷証券」をご参照下さい。
・Clean B/L (無故障B/L :貨物の損傷、過不足の記載のないもの)
・荷受人(貨物を引取る権利を持った者。裏書による流通・譲渡を可能にするために、Order B/L であること )
・B/L 上に「Freight prepaid at “船積地名”」又は「Freight payable at “仕向先地名”」の記載があること
・貨物の到着案内先(通例、ここに輸入者名を記載する。)
c. 保険証券(又は承認状)…2通
・保険金の上限が通例インボイスの110%の金額
・輸出者に白地裏書されたもの
・保険金支払場所
・保険条件(カバーする危険)
d. 梱包明細書(パッキングリスト)…要された通数
e.その他、買い手の要求する原産地証明書、品質検査証明書等
⑫ 商品名と貿易条件(建値)…ここでの貿易条件はFOB、CIF等
⑬ 船積条件…積出港、仕向港、最終船積期限
⑭ 分割船積の可否
⑮ 積み替えの可否
⑯ 輸入地外での銀行手数料負担
⑰ 書類呈示期間…輸出者が買い取り銀行にいつまでに書類を持ち込まなければならないか(船が目的地に到着する前に、輸出国の銀行で買い取られ、輸入国の銀行を経て、輸入者に交付されなければなりませんので、時間はタイトです。)
⑱ 買い取り銀行指定文言 (買い取り銀行の指定があるときのみ記載されます)
⑲ 銀行間決済文言…この部分のみ、発行銀行から買い取り銀行への指図 (ここではコルレス契約にしたがって、銀行間の資金決済が記載される。)
⑳ 裏書請求文言…印刷された銀行の決まり文句
㉑ 支払確約文言…ここも印刷された銀行の決まり文句です。
㉒ 発行銀行の署名
㉓ 信用状統一規則準拠文言…ここも銀行の決まり文句です。その内容は「本信用状がICC(国際商業会議所)の定めた信用状統一規則に準拠しており、手続はその規則に従って進められたし」との文言
出典:「貿易実務の基礎が分かる本」P208~209の一部を引用
2021.02.21
信用状発行依頼書の記載事項は次の通りです。
① 信用状の発行(開設)を依頼する銀行名
② 信用状の通知方法
③ 通知銀行(輸出者から特に指定がない場合は記載しない。発行銀行の任意となる。)
④ 発行依頼人(輸入者)
⑤ 信用状有効期限
⑥ 受益者(輸出者)
⑦ 信用状金額
⑧ 分割船積みの可否
⑨ 貨物の積替えの可否
⑩ 船積地
⑪ 最終船積期限
⑫ 陸揚地
⑬ 手形の期日
⑭ 商品名、数量
⑮ 貿易条件(建値)
⑯ 必要書類と通数
⑰ 書類の呈示期限
⑱ その他の条件
⑲ 手数料負担区分
⑳ 発行依頼人(輸入者のサイン)
㉑ 信用状統一規則準拠文言
通知銀行への送達方法
① 郵送
② プレリミナリー・ケーブル・アドバイス方式
(Preliminary Cable Advice プレ・アド)
初めに電信でL/Cの簡単な内容を伝える事前通知(Preliminary Advice/Brief Cable)が届き、L/C本体は後日郵送される方法。
この場合には、電信での事前通知に “Details to follow”等と明記されており、L/C本体ではないことを示している。
③ フル・ケーブル・アドバイス方式(Full Cable Advice)
上記②のような事前通知としての記載がなく、電信で届いたL/Cの場合には、それがL/C本体となる
出典:「貿易実務の基礎が分かる本」P202~203の一部を引用
2021.02.19
信用状(L/C)を発行(開設)することは、銀行の信用を輸入者に貸す与信行為に当たります。
また、L/Cを発行すると、発行銀行はその支払い確約に基づき、輸入者の代金支払い前に輸出地の銀行へ立替払いしたり、輸入者が支払期日に資金繰りがつかない場合には、輸入者への支払猶予や融資を行ってその資金繰りをカバーしたりといった輸入金融(貸付取引)に発展していくことが一般的です。
輸入者の輸入商品代金の支払を一定期間猶予する輸入金融のことをUsance(ユーザンス、特に日本の銀行のユーザンスを本邦ローン)といいます。 更に輸入商品の売却代金がまだ回収できていない段階で金融機関のユーザンス期日が到来してしまった場合、銀行から新たに円資金の融資を受け、ユーザンスから乗り換えることを、「ハネる」といいいます。この融資のことを総称して「輸入跳ね返り金融」と呼びます。
したがって、発行銀行はL/Cの発行に際し、これら一連の輸入金融取引が発生する可能性も勘案し、輸入者にその返済能力があるかどうか、国内での企業への融資と同様、慎重に輸入者の信用状態を審査しています。
発行銀行としては、L/Cに基づき発行銀行が海外に対して行った立替払いに対して、発行依頼人である輸入者が、後で必ずその支払いができる能力を持っているかどうか、あらかじめ判断しなければならないからです。
もしも輸入者の信用状態に不安があり、銀行が立替払いを行ってもそれを返済する能力がないと判断されれば、銀行はL/Cの発行を拒絶します。
銀行にとって、L/Cを発行するということは、輸入者に対して連帯保証するのと同じことですので、保証をいくらまで行うのかという極度額が厳格に審査されます。 輸入者の信用状態が十分でないと判断した場合、銀行はL/Cの発行には応じるものの、最大100%相当額の担保(拘束預金や、上場会社の株券等)の差し入れを求める場合もあります。 換言すれば、貿易取引の契約は輸入者(買い手)の信用供与によって成立すると言えます。
2021.02.19
輸入者(買い手)と信用状(L/C)発行銀行との関係は、輸入者がL/Cの発行を取引銀行に依頼し、銀行がその依頼によってL/Cを発行するという信用状発行契約に基づいています。
輸入者は、発行銀行がL/Cに基づいて、L/C条件と一致する輸出者の書類と引換えに支払いをした場合には、その支払いに対して同じ金額を自らが銀行に支払うという償還債務を負います。
この輸入者の償還債務は、発行銀行が受益者である輸出者に対して負っている支払債務に対応するものであり、輸入者は、例え約束と異なる商品が届いたとしても、そのような売買契約上の理由によって、この償還債務を免れることはできません。