新着情報|横浜市の行政書士織田国際法務事務所

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  • 2021.02.11

    Q&A#8

    Q8. 英文契約の準拠法(Governing Law)と裁判管轄(Jurisdiction) はどうなるのですか?

    A8. 国際ビジネスの両当事者は、別々の国家主権に属し、当然に異なる法体系に服していますが、英文契約書を作るときは、最終的な紛争解決手段として、双方合意の上で、準拠法と裁判管轄地を決めなくてはなりません。この部分には、紛争が生じたとき、なるべく自分に有利な法的環境を作り出すための戦略が必要であることは言うまでもありません。
    実務的には、裁判の問題点である「三審制による長い時間」、「awayで外国での裁判になるときに備えて、組織力と資金が必須」、「公開制で企業秘密が守られない」、等々を克服するため、現在は双方の合意に従って、 契約にあらかじめ、紛争解決の最終手段として、特定の第3者機関による仲裁(Arbitration)を採用する ことが合理的であると考えられています。Arbitration の判断(一審制)にも、裁判所の判決と同じ執行力があります。しかし、裁判管轄は国家の主権が絡む問題ですので、契約書に書いたから、必ずその通りになるとは限りません。なお準拠法と裁判管轄は、同一である必要はありません。
    2021.02.11

    Q&A#7

    Q7. 同じような件の日本語で書かれた契約書に比べて、英文契約書のボリュームはかなり多いと思いますが、それは何故ですか?

    A7. 英文契約の背景には、慣習法・不文法(Common Law)の法文化を持つ英米法の存在があります。 英米法的な法体系を採る諸国は、明治時代に欧州大陸の成文法体系を取り入れた我が国と異なり、民法 のような膨大な成文法の法典を持っていません。従って、契約書のドラフティングでは、あらゆるリスクを想定して、必要と思われる事項を総て書き出し、文章化する必要に迫られます。それは、契約書に書いていない事柄は、 英米法の国では、裁判で争えないからです。契約書つくりが一種の立法のような作業だと考えれば、その文章 のボリュームが大きい理由に納得が行くと思います。 因みに、海外でプレーするプロ・スポーツ選手の契約書は、本一冊分ぐらいの厚さがあるそうです。
    2021.02.11

    Q&A#6

    Q6. 覚書と言われ、効力が曖昧な感じがするLOI (Letter of Intent) とMOU(Memorandum of Understanding) について説明して下さい。 

    A6. 前項でご説明をしたMinutes of Meeting に続いて交渉過程で相手と交わすLOI(letter of intent とMOU(Memorandum of understanding)についてお話を致します。
    一般に、LOIは予備的合意書、MOUは了解事項覚書、と呼ばれています。 LOI やMOU は交渉過程での確認事項を文書にして、双方の当事者が署名するのが一般的です。一回の契約で、複数回作成されることもあります。
    これらの文書は、一方的に相手に送られるレーターと異なり、双方がサインしていることから、より契約書に近い効力があると認められることがあります。(我が国では、法的効力を認めた判例もあります。)
    LOI やMOUを相手と取り交わしたとき、その法的拘束力の有無を論じる議論は、古くから枚挙に遑がありませんが、大切なのは書類のタイトルではなく、その内容と、サインした人の権限です。その書類ばかりでなく、その進行中のビジネス全体を俯瞰しないと判断できない場合もあります。それらの要素が、MOUとLOIの法的効力に大きな影響を与えると考え、そのリスクを自覚して、必要によってはそれ等を回避する文言を加える等の配慮をして作成することが肝要です。
    LOIやMOUに法的効力が認められたとしても、これらの文書には通常の契約にはある一般的条項(例えば、準拠法、裁判管轄権等)が在りませんので、法的には不確実な環境にあると言わざるを得ません。

    2021.02.11

    Q&A#5

    Q5. Minutes of Meeting の効力はどうでしょうか?

    A5. 契約が締結される前の協議でしばしば作成されるMinutes of Meeting についてご説明します。契約は通常、一度に総てが決まるわけではなく,何回も相手と協議をして細部を詰め、その細切れの合意の積み重ねを纏め上げで行きます。そのため、会議の席で出席者の中の誰か指名された人が議事録のメモ取りをし、会議の後 Minutes of Meetingをタイプすることになります。当事者のどちらが担当してもよいのですが、私が会社員の駆け出しの時代は、タイピストなどのマンパワーとタイプライラーを持つホーム・チームがこの役割を担うことが多かったように思います。昨今はノートパソコンが普及しているので、物理的な制約は最早やなくなったと考えられます。

    形式は任意ですが、一般的にはタイトルをMinutes of Meeting とし、当事者双方の会社名、会議の題目、日時、場所、出席者のそれぞれの個人名、役職等を書いて、それから「The followings are the matter discussed and agreed.」などの前置きに続いて、合意されたこと、保留となったこと等を箇条書きにして、各行の右端に 「Action required by」の欄を設け、保留になっている件を調べて回答すべき立場にある当事者の社名と担当者名とその日限を記入します。ここに実務の担当者と日限を入れさせることは、大変有効なビジネス促進ツールとなります。しかしこれは諸刃の刃ですから、自分の側にも、ペンディング事項があれば、それをクリヤーにするプレッシャーがかかることは言うまでも在りません。最後に当事者双方の出席者全員、もしくは出席者中最上席の人がサインします。

    Minutes of Meetingは議事録ですが、内容次第では、契約の一部と解釈される危険性がありますので、署名する方は、「Subject to top management approval」(会社の上席役員の承認を条件として) とか「For record only」(記録のみ)等の但し書きを付けて、Minutes of Meetingが目的(事実の記録)を逸脱し、契約書の一部として、1人歩きしないように注意することが肝要です。尚、Minutes of Meeting とConference Note は同義です。
    2021.02.11

    Q&A#4

    Q4.Agreement(合意)と契約(Contract) について解説して下さい。 

    A4. まずAgreement とContract の違いについてご説明します。我が国では相対する二人以上の当事者が合意することによって、権利義務の関係をつくりだす法律行為を契約ということになっています。一定の様式・手続きを踏むことを必須と定めためた例外(例えば婚姻) はあるにせよ、合意(agreement)と契約 (contract) は同義と考えてよいでしょう。殆どの場合、様式を問いません。 口約束でも契約は成立します。
    しかし英米法の下では、Contractは Agreement のうち、法による強制が可能 (enforceable by law) で約因 (consideration)があり、且つ書面化されたものを指します。約因とはその合意を履行することによって、当事者相互に見返りがあることで、例えば、父親が息子に、「大学入試に受かったら自動車を買ってやる」と約束しても、それは一方的な父親から息子へ利益供与なので英米法ではContract と成り得えません。
    尚、書類の名称は契約の効果に影響を及ぼしません。タイトルはAgreementでも実質はContractであるという事例は枚挙に暇がありません。

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